斜視•弱視
こどもの視力検査について
人の目(網膜)赤ちゃんから10歳くらいまで成長します。この間に乱視•遠視•目の病気で遮られてしまうと弱視になってしまいます。弱視とはどんなに矯正しても視力が出ない状態です。またこどものメガネですが、適正でないと眼精疲労の原因になったり近視を進行させてしまったりすることになります。
こどもの場合、特に調節力が強いので5メートル視力表で検査しましょう。
斜視について
潜在的なものを含めると4人に1人は斜視といわれています。こどもの場合、斜視によって弱視や両眼視機能に異常が現れることがあります。この両眼視機能とは簡単に説明しますと物を立体的に見ることができないということです。スポーツや仕事に影響を与えかねません。
メヤニが出る
ウイルス性結膜炎
結膜炎は大きく分けてアレルギー性、細菌性とウイルス性がありま
「はやり目」や「プール熱」などは、ウイルスの感染によって起こる昔からポピュラーな目の病気です。これらは主にウイルスの感染によって起こります。ウイルスは細菌とちがって、他の生物の細胞を借りなければ増殖できませんから、充分な栄養と休息をとり、ウイルスにつけこまれないように強い体づくりをすることが大切です。
ウイルス性結膜炎には、いくつかのタイプがありますがここでは代表的な4つのタイプについて説明します。
流行性角結膜炎
昔から「はやり目」と呼ばれる、アデノウイルスが原因の結膜炎です。白目が充血し、目やにが出て、目が痛くなることもありますが、かゆみはほとんどありません。感染してから約1週間で発症し、それから1週間くらいがピークで、あとは次第に良くなります。
咽頭結膜熱
「プール熱」と呼ばれ、アデノウイルスの感染によって起こりますが、流行性角結膜炎とはウイルスのタイプが違います。突然39度くらいの高熱が出て、のどがはれ、目が充血したり、目やにが出るなど、結膜炎の症状が出ます。悪化すると肺炎になることもあるので、注意が必要です。感染してからの経過は、流行性角結膜炎とほぼ同じです。
急性出血性結膜炎
症状は急性で、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスの感染によって起こります。目が痛くなったり、目やにが多くなり、白目に出血がみられることもあります。ひどくなると角膜(黒目の部分)に小さな傷ができることがあります。感染した翌日くらいから発症し、1週間くらいでよくなってきます。
ヘルペス性結膜炎
ウイルス結膜炎の一種なのですが、あまり他人にうつることはありません。ヘルペスウイルスが原因で、症状としては白目が充血したり、目やにが多く出たりするのに加え、目の周囲の皮膚面に、赤く小さな水胞が出ることもよくあります。角膜ヘルペスを合併することもあります。
ドライアイ
眼精疲労の原因
ドライアイをひと口で言うと「乾いた目」ということになります。テレビに始まり、最近はコンピューターやテレビゲームなど、画面を長時間見ることが多くなり、目の疲れを訴える人が多くなっています。その人たちを検査したところ、ドライアイは珍しい疾患ではないことが分かってきました。そのほか、長時間にわたって字や物を凝視する仕事の人たちにも多くみられます。涙の分泌量が減ったり、涙の質が低下することによって、目の表面をうるおす力が低下した状態をドライアイと呼びます。現在、日本では1000万人ものドライアイの患者さんがいるといわれています。
目の乾燥感が主な症状ですが、ゴロゴロ感、目の痛み、まぶしさ、目の疲れ、白目の充血などの症状が現れます。ドライアイは、いろいろな原因によって涙の量が少なくなったり、涙の働きが悪くなったりすることで、目の表面にある「涙液層」がくずれ、乾燥した目の表面部分に傷ができてしまう病気です。
症状が軽ければ、涙に近い成分の目薬が処方されます。目の表面に傷があって違和感がある場合は、眼軟膏を使うこともあります。また、涙の成分の油分の分泌を促進するために瞼を温めたり、マッサージをしたりすることもあります。これで改善しないときは、涙の出口である涙点に栓(涙点プラグ)をして、涙の流出を止める治療法や涙の乾燥を防ぐための特殊な眼鏡をかける方法もあります。
黒い点が見える(飛蚊症)
網膜剥離のサイン
飛蚊症はよくある症状で、心配になって眼科を受診する人もたくさんいます。しかし、大半はとくに病気とは関係がないものです。
普通の飛蚊症は、 硝子体しょうしたいのにごりが網膜に投影されて見えるもので、大人では多かれ少なかれ誰でもあるといっていいものです。硝子体は透明な組織とされていますが、完全に透明というわけではないからです。年齢とともに、そして近視が強いほど、硝子体には繊維の塊のようなにごりが出やすくなります。
飛蚊症は、晴れた空のように明るい背景、白っぽい背景でよく見えます。また、後部硝子体 剥離はくりが起こると、 視神経乳頭の部分からはがれた厚くてリング状の後部硝子体皮質(ワイスリング)が飛蚊症の原因になります。
飛蚊症を訴えて受診する人の大半が病的ではない、というのは眼科医が共通して抱いている認識です。しかし、時に飛蚊症は重大な病気のサインになります。
網膜剥離では、飛蚊症が前駆症状になることがめずらしくありません。硝子体の 牽引けんいんに伴って網膜に 裂孔れっこうができる時、必ず網膜の血管は 破綻はたんして出血します。破綻する血管の太さや性質で量は違いますが、多かれ少なかれ出血が起こり、眼球の内部、硝子体腔へと拡散します。その出血が飛蚊症として自覚されるわけです。この場合の飛蚊症は、しばしば「墨を流したような」と形容されます。
また網膜剥離では、飛蚊症と相前後して 光視症(ぴかぴか光って見える、光が走るなどの症状)を自覚することもあります。光視症は、網膜が強く引っ張られるために起こる異常放電が原因と考えられています。顔面の打撲などで「眼から火が出る」というのがありますが、それも同じ理屈です。
加齢黄斑変性
失明の原因
加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)は、高齢者の主要な失明原因となる病気のひとつで、高齢者人口が増えるとともに増加してきました。集団健診などで病気が早期に発見されることもあります。加齢による目の老化を背景にした治りにくい病気ですが、最近では新しい治療法も開発されており、早期発見・早期治療によって症状を改善させたり、進行を遅らせたりすることも行われています。黄斑部とは、目の奥にある網膜の中央にある黄色い斑点状に見える部分で、網膜のほかの部分よりずっと解像力が優れており、物を見るために最も重要な部分です。ものを見るとき、視野の中央に当たるところは、黄斑部が映している部分になります。加齢黄斑変性は、黄斑部が傷んで機能が悪くなっていく病気です。初期の症状は、ものがゆがんで見える「変視症」や、左右の目でものの大きさが違って見えるなどの症状を自覚する場合が多いのですが、新生血管が破れて黄斑部に出血を起こすと、突然の視力低下、特に中心が見えにくいという症状が現れます。初めは片方の目に発症しますが、しばらくするともう片方の目に発症することも少なくありません。黄斑部の視細胞は、その下の層にある色素上皮細胞(しきそじょうひさいぼう)という細胞によって養われています。またこの色素上皮細胞は、さらに下の脈絡膜(みゃくらくまく)という、血管が多く走っている組織から栄養を受けています。脈絡膜の血管からの栄養が何らかの原因で供給されなくなると、色素上皮細胞に障害がおこり、その結果として視細胞もだんだん障害されて、変性してきます。これが黄斑変性です。従来はレーザーによる治療や、手術も行われましたが、進行した病態では充分な成果が得られないことも多く、近年、新生血管抑制剤の眼内注入などといった新しい治療法が行われており、この病気の予後の向上が期待されるようになってきています。
糖尿病網膜症
糖尿病の三大合併症の一つ
日本における糖尿病網膜症の有病率は、糖尿病患者さんの約15 ~ 40% とされ、約 300 万人が糖尿病網膜症にかかっていると推定されています。
糖尿病網膜症は、年間約 3,000 人の失明を引き起こし、成人の失明原因の第2位、60〜74歳では第1位となっています。糖尿病網膜症(以下、網膜症)は、糖尿病による血糖の高い状態が持続する結果、網膜にはりめぐらされている細かい血管(毛細血管)が壊れることで起きる病気です。
1.単純網膜症(初期)
長い間、濃度の高い糖にさらされることで毛細血管が 壊れ始め、コブができたり(毛細血管瘤:もうさいけっかんりゅう)、出血したりします(点状出血)。 また、壊れた血管から血液や血液の成分(たんぱくや脂肪など)が漏れ出します。
2.増殖前網膜症(中期)
血管の障害が繰り返されることで血管壁が厚くなって、血管が狭くなったり、詰まったりして(血管閉塞:けっかんへいそく)、血液が網膜に流れなくなります(虚血:きょけつ)。
3.増殖網膜症(後期)
虚血になると、網膜では新しい血管が作られ(新生血管)、硝子体(しょうしたい)まで伸びて、血液や酸素を取り込もうとします。新生血管はもろく、壊れやすいので、硝子体で出血を起すこともあります。 また、硝子体内にできた増殖膜が 収縮して硝子体と網膜を癒着させ、網膜を引っ張り網膜剝離(もうまくはくり)を引き起こすこともあります(牽引性【けんいんせい】網膜剥離)。
網膜症の治療法
1.正常~単純網膜症(早期の網膜症)
血糖コントロールや、高血圧の治療など内科的治療を行い 、状態によってはレーザー光凝固療法(ひかりぎょうこりょうほう)を行います。それによって、病気の進行を阻止(そし)したり遅らせたりすることができます。
2.増殖前網膜症~増殖網膜症(進行した網膜症)
血糖コントロールや、高血圧の治療など内科的治療を行い、状態によってはレーザー光凝固療法(ひかりぎょうこりょうほう)を行います。それによって、病気の進行を阻止(そし)したり遅らせたりすることができます。黄斑浮腫については新生血管抑制剤を眼内に注射します。
緑内障
緑内障
現在、病気による失明(中途失明)の原因は緑内障が第1位といわれており、全体の約4分の1を占めています。 有病率は年齢と共に増加していき、最近の調査では40歳以上の成人の約5%、20人にひとりが緑内障にかかっているということがわかりました。緑内障の原因
まぶたの上からそっと目をさわるとわかるように、眼球は空気のつまったボールのように張りがあります。これは眼球の中の圧力(眼圧)が外よりも高く保たれているからです。一般的な緑内障は、この眼圧が高くなることで眼の奥にある視神経(物を見るための特別な神経)が傷つき、視野が欠けていく病気です。
緑内障は眼圧が高くなる原因に応じて種類があります。日本人は眼圧がそれほど高くないのに視野の障害が進む、 「正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう)」というタイプが全体の約7割を占めるといわれています。正常眼圧緑内障は、10~15年という長い時間をかけて少しずつ進行していきます。そのため、初期の状態ではなかなか気づきません。 また多くの方は、非常に悪くなるまで視野障害、頭痛や眼精疲労(がんせいひろう)などの自覚症状が乏しいため、発見が困難です。緑内障は、予防することができない、また放置すると進行していく病気です。一度失われてしまった視野は、残念ながら元に戻りません。 しかし早期に発見すれば、治療によって進行を遅らせることができます。
緑内障の治療は、眼圧を下げることです。眼圧を下げるために、まずは点眼薬を使います。毎日きちんと点眼して眼の眼圧を下げることによって、視神経の負担を減らし進行を止めたり、 緩やかにすることができます。眼圧の高い緑内障でも、眼圧の正常な緑内障でも点眼薬の効果が認められています。他にレーザー治療や手術があります。